大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和33年(れ)1号 判決 1958年6月26日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人徳岡一男の上告趣意第一点について、

原審がその判示のような理由の下に本件において起訴状が滅失していても適法な公訴の提起があったものとした判断は当審もこれを正当として是認する。そして右判断は所論引用の判例(昭和三二年四月二二日第一小法廷判決とあるは昭和二三年云々の誤記と認められる。判例集二巻四号四一三頁以下参照)に毫も抵触するものではない。(なお、判例集八巻四号五八四頁以下大法廷判決参照)。

同第二点について、

所論のような事由を以て上告理由とすることのできないことは当裁判所の既に判例とするところである(昭和二三年(れ)一〇七一号同二三年一二月二二日大法廷判決集二巻一四号一八五三頁及び同二四年(れ)二三八号同二四年一一月三〇日大法廷決定集三巻一一号一八五七頁各参照)

同第三点ないし第五点について、

所論は事実誤認、単なる法令(訴訟法を含む)違反、量刑不当の主張を出でないものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よって刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例